小さなプレイフィールド

8小節のループは、驚くほど多くの先延ばしを受け止めてしまう。スネアを変え、別のベースを試聴し、違うシンセを開いているうちに、1時間前からアレンジがまったく進んでいないこともある。選択肢を絞ったセッションなら、一つひとつの判断を耳で確かめやすくなる。

MusicTechが10月6日に公開したKaelin EllisのMy Forever Studio特集は、ビデオゲームと懐かしの機材をテーマにしている。ここではその発想を借り、使い慣れた機材でゲームのように範囲を限定し、繰り返し可能な操作を使って制作する。

目標は、強弱の変化がはっきり聴こえるラフなアレンジを作ること。DAWがあれば十分だ。異なるパターンを保存できるサンプラーやシーケンサーも、結果を録音する手段があれば使える。始める前に、特定のヴィンテージ楽器を探し出す必要はない。

次の一手を決める

サウンドブラウザーを開く前に、トラックが直近で果たすべき役割を一文で書き出そう。たとえば、ヴァースからサビへの盛り上がりを強める、あるいは別の楽器を加えずにリズムを1分間持続させる、といった具合だ。聴いて判断できる内容を選ぶ。

次に、この作業で守る制約を決める。たとえば密度を調整する間は、テンポとハーモニーを変えない。プロジェクトにすでに読み込まれている音を使う。役立つなら作業時間を決めてもよいが、複雑なポイント制の管理に時間を費やすのは避けよう。

実行可能な目標は、たとえば「同じループから、音数の少ないセクションと厚みのあるセクションを作り、その間を説得力のある展開でつなぐ」といったものだ。これなら自分らしい判断を加える余地がある。何千ものプリセットと空のプロジェクトを前にする代わりに、作業を始めたときタイムラインに何を置くかも明確になる。

音色の役割を割り当てる

音楽上の役割を絞ったパレットを作ります。まずリズムの軸と低音パートを決め、次に前面に出す音をひとつ選びます。特定の役割がある場合にだけ、支えとなるテクスチャを加えましょう。これはセッション中だけの一時的な制限なので、ミュートした既存トラックは後で使えるように残しておきます。

ひとつの役割に複数のサンプルを使ってもかまいません。決まりきったルールに合わせるために、ドラムキットをひとつの音にまとめる必要はありません。役立つ制約は、アイデア同士が競合しないようにすることです。新しいパートを加えるときは、どの役割を担うのか、ほかの何かを一歩引かせるべきかを考えましょう。

別の楽器を読み込む前に、音域を変えたり、音符を短くしたりしてみましょう。前面に出すフレーズを1オクターブ上げ、ベースに重ねたときに音の流れを追いやすくなるか聴いてみます。高音域にしたことでフレーズが薄く感じられるなら、元に戻しましょう。休符を入れると、下で役立っていたリズムが浮かび上がることもあります。

チップチューン風の音を使う必要はありません。アコースティック録音でも、シンセと同じようにこの練習に活用できます。パレットを保存しておけば、次のセッションもすぐに演奏できる素材から始められます。

強弱の状態を作る

活動の変化に合わせて音楽の状態を変えるという考え方を取り入れましょう。同じ短いパッセージから、控えめなバージョンと、より動きのあるバージョンを作ります。作業中はテンポと和声の周期の長さを固定します。共通の条件を揃えることで、バージョン間を行き来しやすくなります。

控えめな状態では、ドラムの音をいくつか取り除いたり、リードの隙間を長くしたりします。動きのある状態では、リズムの動きをいくらか戻しましょう。高音域の対旋律を加えれば、低域の音を増やさずに十分な高揚感を出せることもあります。まずはパレット内の音を使って作業しましょう。

2つのセクションをおおむね同じ再生音量で聴き比べたら、本来のダイナミクスに戻します。一時的に音量をそろえることで、音が厚くなった部分に音量だけでなく有効な動きも加わっているかを確かめられます。新たに加えたパートがメインのフレーズを覆い隠していないかにも耳を傾けましょう。

次に、2つのバージョンをタイムライン上で隣り合わせに配置します。持続音が境目をまたぐようにするか、音が厚くなる部分の前に短い間を置きます。つなぎ目でリバーブの余韻がどうなるかも確認しましょう。聴き手が変化についていけるかを、片方のセクションが次のセクションに切り替わるぎこちない0.5秒も含めて確かめます。

いつでも戻せるチェックポイントを残す

アレンジを変える前に、バージョンを保存します。`sparse-verse`や`open-chorus`のように、決めた内容が分かる名前を付けましょう。利用できる場合は、システムのプロジェクト複製機能やバージョン管理機能を使い、関連する音声ファイルもプロジェクトと一緒に整理しておきます。実験をやり直すために、ファイル探しに午後いっぱい費やすようなことは避けたいものです。

短いステレオ書き出しも役立ちます。すべての楽器を開き直さなくても、比較できる音源が手に入ります。書き出しにはトランジションも含めましょう。各セクション単体では納得のいく音に聞こえても、問題はぎこちないつなぎ目にあるかもしれません。

次の試行では、音楽的な要素を1つだけ変えます。たとえば、ベースの音を短くし、音色には手を加えないようにします。それから聴き比べましょう。音色とリズムを同時に変えると、結果の原因を見極めにくくなります。

比較が済むまでは、前のバージョンも残しておきます。新しいバージョンに「ドラムを厚くした状態で、ベースを短くしてみる」とメモしておけば十分です。放棄したバリエーションをすべて聴き直さなくても、実験を再開できます。

設計図を曲に仕上げる

2つの状態とその切り替わりが機能したら、曲全体の大まかなアレンジを組み立てます。繰り返しが自然な箇所ではセクションを再利用しましょう。空いている部分をすべて埋めるために別のライブラリを開くのではなく、足りないボーカルやインストゥルメンタルのパートには仮のスペースを残しておきます。

操作に触れず、最初から聴いてみます。注意が途切れた瞬間や、次のセクションに移るのが早すぎると感じた箇所を短くメモしましょう。まずはその部分に取り組みます。2回目の繰り返しが間延びするなら、レイヤーを追加する前に短くしてみましょう。切り替わりが急ぎすぎているなら、前のフレーズが終わるだけの余裕を持たせ、もう一度聴きます。

この作業を終えたら、制約を緩めてもかまいません。曲に必要なのは、楽器をもうひとつ加えることかもしれません。大まかなアレンジはそのままにして、新しいバージョンで追加を試しましょう。冒頭から最後のセクションまで再生できる参考用音源を書き出します。まとまりのない切り替わりも含めておきましょう。次に編集する箇所のメモをプロジェクトのそばに残せば、翌日の作業を具体的な小節から始められます。